検査方法について
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあり病院に受診した際に受ける検査・診断の流れを詳しくご紹介します。
■一般的な検査・診断の流れ
問診・睡眠尺度評価(ESS)
いびきや無呼吸の指摘、自覚症状、既往歴などの問診に加え、病的な眠気かどうかを判断するために睡眠尺度評価(ESS)という質問表が用いられます。
ただ、睡眠時無呼吸症候群であっても眠気を訴えない患者さんが多いため、自覚症状がなくても、循環器疾患を伴っている患者さんなどは睡眠時無呼吸を疑い、検査を実施する場合もあります。睡眠時無呼吸症候群の疑いが考えられる場合、睡眠中の検査が実施されます。
スクリーニング検査
睡眠時無呼吸症候群なのか、それ以外の病気なのかを判別するために、パルスオキシメータにて検査を行います。
指先にセンサーをつけ、血液中の酸素の状態と脈拍数を測定することで、無呼吸によって起こる酸素の低下状態が診断されます。
自宅で検査機器を取り付け、睡眠中の酸素の状態を測定します。
簡易無呼吸検査
睡眠時無呼吸の有無と重症度を判定するために実施される検査です。
簡易無呼吸検査は、指先・呼吸のセンサーをつけ、睡眠中の血液中の酸素、呼吸の状態を測定します。これにより、10秒以上の無呼吸・低呼吸の1時間当たりの回数(AHI)、酸素の低下状態を測定します。
ご自宅でもできる検査ですので、より普段の睡眠に近い状態で検査をすることが可能です。
ポリソムノグラフィ(PSG)検査
PSG検査はSAS検査では最も精密な検査方法です。脳波・筋電図・心電図・呼吸・血液中の酸素等、さまざまな生体信号を測定します。
これにより、10秒以上の無呼吸・低呼吸の1時間当たりの数(AHI)、SASの種類(閉塞性・中枢性)、酸素の低下状態はもとより、睡眠の質(睡眠の深さ・分断の有無)、不整脈の有無、その他の睡眠障害の有無等について診断されます。
この検査はさまざまなセンサーを装着する必要があるため専門の検査施設等に入院して行います。
PSGは睡眠を判定できるため、総睡眠時間が計測でき、より正確にAHIを算出できます。
診断・治療方針の決定、治療開始
参考文献
日本呼吸器学会 / 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班 (監), 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020.
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