CPAP療法は脳卒中の再発リスクを軽減する
気をつけよう睡眠時無呼吸症候群 16. 脳血管障害
脳⾎管障害を発症した患者は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併率が⾼いことが知られており、アメリカの研究によるとおよそ60%の患者がAHI>10のSASを合併していたという報告があります(*1)。
SASが脳⾎管障害発症後の予後不良因⼦となることは明らかであり、SASの治療は脳⾎管障害の再発予防に⾮常に重要となります。
脳⾎管障害を発症し、かつ閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を合併する患者に対してCPAP治療を⾏った群とCPAP治療を⾏わなかった群の予後を⽐較した研究では、CPAP治療を⾏った群で5年後の死亡率が明らかに減少したことが報告されており、CPAP治療が脳⾎管障害の再発予防に⼀定の有効性があることが⽰されました(*2)。
また、OSASに対するCPAP治療は⾃律神経のバランスや⾼⾎圧の是正、動脈硬化の進展を予防することで脳⾎管障害の⼀次予防に対しても効果が期待されています。なおOSAS患者における脳血管障害の発症率についてはファクトシート15で詳しく解説しています。
※AHI:無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index)のこと。睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数を⽰します。
- (*1)Sleep. 1999;22(2):217-223.
- (*2)Am J Respir Crit Care Med. 2009;180(1):36-41.
関連リンク
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは