睡眠時無呼吸症候群が
引き起こす合併症

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

さまざまな合併症を引き起こす睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、さまざまな合併症を引き起こします。睡眠と呼吸が妨げられるため、血管、心臓、脳、自律神経など全身にさまざまな影響を与えるからです。ここでは、それらの合併症について、ご案内します。

高血圧

SAS患者の約50%は高血圧を合併しているといわれるほど、高血圧はSASの合併症として有名です。自覚症状がほとんどないため、高血圧と気づいていない人も多く注意が必要です。

SASを放置すると突然死のリスクも高まる

放置しておくと脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気を引き起こす原因になりえます。なお、SASの患者さんの高血圧の治療に、睡眠時無呼吸症候群の治療であるCPAPが有用であることがわかっています。

CPAP治療とは?

糖尿病

習慣的にいびきをかく人は、糖尿病のリスクが2倍になるという報告もあり、睡眠時無呼吸症候群と糖尿病は関連が深いことが知られています。

SASを放置すると突然死のリスクも高まる

糖尿病は、インスリンがうまく働かないためにブドウ糖が細胞に取り込まれず、血糖値が上がってしまう病気です。無呼吸によって低酸素状態になると、結果としてインスリンの動きが悪くなり糖尿病に関連することがわかっています。SASの重症度が高いほど、糖尿病の合併率が高まるというデータもあります。

心血管疾患(心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈など)

心血管疾患は、睡眠時無呼吸症候群と関連が強い合併症です。睡眠中の無呼吸は、血圧に大きな変動を与えたり、血液が固まりやすい状態を作ったりします。それにより、血圧の上昇、心臓の肥大や不整脈、心筋梗塞など多くの問題を引き起こしてしまいます。

また、SASを合併している心不全患者は、SASの治療をしないと死亡率が高くなるといわれています。

脳卒中(脳血管疾患)

海外の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者は、健常者と比べて脳卒中の発症リスクが約3倍高まることが明らかになっているほど、これらの病気との関連が高いことも報告されています。

SASを放置すると突然死のリスクも高まる

その理由は血液が固まりやすい状態を無呼吸が引き起こすためです。それにより、血管が詰まったり、血栓が出来たりすることで脳梗塞が引き起こされます。

アメリカでの研究では、SASと脳血管疾患を合併している患者は、CPAPの治療をすることで5年後の死亡率が明らかに減少したことが報告されています。

メタボリックシンドローム

中等症の睡眠時無呼吸症候群患者(男性)の約半数にメタボリックシンドローム(メタボリック症候群)の合併が、また、メタボリックシンドロームの男性の半数弱には中等症以上のSASの合併が見られます。それほどに、この2つは関連性が高いのです。

肥満は、睡眠時無呼吸症候群の原因のひとつになります。また、メタボリックシンドロームの患者は、脂質異常や高血圧なども併発しているため、そこにSASが加わることで心血管疾患など(心筋梗塞や脳梗塞など)の病気のリスクを高めてしまいます。

発育障害

睡眠時無呼吸症候群は、成人だけの病気ではありません。子どもにもみられる病気で、小児全体の1〜4%はSASであるといわれています。

SASを放置しておくと、発育障害、学力低下、注意散漫など子どもの発達に影響するおそれもあります。小児SASの特徴として、胸の正面の胸骨がへこむ漏斗胸(ろうときょう)や胸骨が突出する鳩胸の胸郭変形があります。

その他の合併症

その他にも、睡眠時無呼吸症候群は、以下のようにさまざまな合併症を発症します。

その他の合併症

  • 慢性腎臓病
  • 動脈硬化
  • 心臓突然死
  • 胃食道逆流症
  • 非アルコール性脂肪肝疾患
  • 周術期管理
  • 認知症
  • うつ病
  • 不妊症、流産
  • ED(勃起障害)
  • むずむず脚症候群

参考文献
日本呼吸器学会 / 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班 (監), 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020.

睡眠時無呼吸症候群には、こんなリスクもあった
気をつけよう
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「いびき」の基本

SASは専門の医療機関を受診し検査を受けることによって判定できます。
いびきやSASについて心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談されることをおすすめします。

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