睡眠時無呼吸症候群に罹りやすい人の
特徴や検査できる病院に
ついて学ぶ

「SAS解決! 快眠プロジェクト『あなたの睡眠は大丈夫?』」イベントレポート その2

前回に引き続き、2024年11月19日にフィリップス・ジャパン主催で渋谷にて開催された「SAS解決! 快眠プロジェクト『あなたの睡眠は大丈夫?』~SAS(睡眠時無呼吸症候群)無料体験イベント~」の様子をお届けします。

前回の様子「女優・髙橋ひかるとSAS芸人?サバンナ・高橋、八木が睡眠について考える」はこちらからご確認ください。

さて、今回は、サバンナ八木さんの睡眠時無呼吸症疑いの診断を受けて、改めて睡眠時無呼吸症候群について学んでいきます。

会話をする出演者

無呼吸・低呼吸の回数によって治療方針や重症度が変わる

司会:八木さんは1時間あたり14回の無呼吸が確認された検査結果でしたが、サバンナ高橋さんは、最初の検査で何回だったか覚えていらっしゃいますか?

高橋茂雄(以下、サバンナ高橋):いや、僕は詳しくは覚えていないんですが、もうほんまにめっちゃすごかったんです。
睡眠時無呼吸症候群って、1時間の無呼吸・低呼吸の回数によって、CPAP装置(シーパップ/持続陽圧呼吸療法で用いる機器)での治療が必要かどうかが変わってくるんですよ。僕は、検査したときにはもう完全に治療の対象やったんで、何回とかちょっと忘れちゃったんですけど、だいぶ(病気の状態が)進んだ状態でした。

土肥智貴先生(以下、土肥先生):高橋さんが、凄く詳しくて、今いろいろと言っていただいたのですが。
睡眠時に1時間に5回以上の無呼吸もしくは低呼吸があることを無呼吸症と言います。そこに睡眠障害など、その他の症状が加わることで睡眠時無呼吸症候群という診断に至ります。
CPAP療法は、保険適用の判断も含めて、何回以上で適用するという基準があるんですね。そのほか、軽症、中症、重症の判断も無呼吸・低呼吸の回数で分かれます。

髙橋ひかる(以下、髙橋ひ):ということは、CPAP以外にも治療法はあるんですか?

土肥先生:あります。

髙橋ひ:そうなんですね。

高橋ひかるさんと土肥先生

睡眠時無呼吸症候群が心臓や血管の病気や糖尿病の原因になることも

司会:ここで改めて、本日、睡眠時無呼吸症候群デビューをされた八木さんのためにも、睡眠時無呼吸症候群に伴う体への負担などについて詳しく教えていただけますでしょうか?

サバンナ高橋:デビュー!(笑)

八木真澄さん(以下、サバンナ八木):デビューは東京ですね(笑)

土肥先生:僕は心臓がメインの医者なので、ここでお伝えしておきたいのですが、無呼吸は心臓や血管にも負担がかかります。それから、脳や自律神経にも影響を与えます。なぜなら、人生の3分の1は睡眠なので、その質が低下することでさまざまな影響を及ぼしてしまうという構図ですね。
適切な治療等を行わないまま放っておくと、将来的には、心臓や血管の病気につながるという可能性もあります。その辺りも認識を持っていただければと思います。

司会:睡眠時無呼吸症候群に罹ることで併発する合併症などもあるのでしょうか?

土肥先生:はい。先ほどもお伝えしたとおり心臓や血管の病気もありますが、そのほかにも高血圧症の患者さんの30〜50パーセントの方には、睡眠時無呼吸症候群の症状が見られると言われています。
それから、糖尿病などの生活習慣病のリスクとも非常に密接に関連していると言われています。

司会:それだけのリスクに対して認知度が十分ではないということもあるのですが、寝ている間なのでご自身では分からないゆえに、自分は大丈夫だと思っている方も多いかと思います。
そういった意味でも、病院で受診をして、八木さんにも体験いただいた自宅でできる簡易検査を行なってみるというのは非常に重要かもしれませんね。

質問に答える出演者

睡眠時無呼吸症候群に罹患しやすい人の特徴

司会:サバンナのお二人は50歳前後で男性ですが、どういった方が罹りやすいなど、何か特徴はあるのでしょうか?本間先生、ご説明お願いできますでしょうか。

本間美穂先生(以下、本間先生):はい。やはり一番罹患率が高いのは、40代以降で肥満体型の男性という皆さんのご想像通りの特徴ではあります。
しかし、年齢に伴って筋力は低下していくため、喉や顎などにたるみが出て来たりすることが(体系問わず)年齢を経ることで症状が増悪していくということも言われています。

また、女性や若い方でも罹患する可能性はあります。
女性の場合は、妊娠中や更年期、閉経後などホルモンバランスの変化がありますのでそれらのタイミングでは注意が必要ですね。少し意外なところで言うと、妊娠中はむくみや体重増加によって無呼吸の症状が出てくることがあります。それから、更年期以降は、エストロゲンが減少するなどで筋肉が緩みやすくなり症状が出やすいと言われています。

本間先生

司会:そうなのですね。ちなみに、皆さんどういった症状で病院にいらっしゃるのですか?

本間先生:外来で一番多いのは、パートナーに指摘されたという方です。あとは、睡眠のお悩みで、途中で目が覚めてしまう、朝起きてもあまりスッキリしない、寝つきが悪いというものが比較的多いですね。
私たちはそこから、喉の状態や身長体重、ほかに罹っているご病気なども加味しながら、可能性があれば積極的に睡眠時無呼吸症候群の検査を行うという具合で診察をしていきます。

受診、検査はクリニックや診療所でも出来る

司会:今日は何度も「検査」という話が出ていますが、検査を受けるにはどのような病院を受診すれば良いのでしょうか?やはり、大病院とかになりますか?

土肥先生:いえ、クリニックや診療所でも大丈夫ですよ。診療科で言うと、内科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、循環器内科などを受診してください。
睡眠時無呼吸症候群は耳鼻科の疾患かのように思われるのですが、内科などでも広く検査ができるような環境が整っています。皆さん、もしお悩みがある場合は、お近くのそういったところを受診されてください。

司会:大病院に行かなければ…というイメージだったのですが、身近なクリニックや診療所でも見ていただけるのであれば、気軽に行けますね。

本間先生:そうですね。あとは、もちろん、睡眠外来とか無呼吸外来といったような標榜をしているクリニックさんなどでも、簡易検査を受けていただくことができます。

お近くの病院を探す

僕の周りでは検査を受けた大半が睡眠時無呼吸症候群と診断された

司会:さて、本日はいろいろなお話を伺うことが出来ました。
最後に、皆さんから一言ずつ頂戴できればと思います。髙橋ひかるさん、いかがでしたでしょうか?

髙橋ひ:そうですね。私の周りでも睡眠の悩みを抱えている子はいますし、もしかしたら自分もそうかもしれないという、そういった可能性を知れたことがよかったです。
あと、検査がすごく簡単にできるというのは、受けるハードルが下がった感じがしました。
睡眠は、本当お仕事するにも、生活をするにもすごく大事な基盤になっていると思うので、今回で思いが改まりました。

司会:お仕事もお忙しいと思うので、ぜひ、質の良い睡眠を取っていただきたいです。
では、睡眠時無呼吸症候群治療中の高橋茂雄さん、今日はご存知のことも多かったと思うのですがいかがでしたでしょうか?

サバンナ高橋:僕の周りにも結構いびきをかいている友人が何人かいて、彼らに1回検査に行ってみてと言って、検査に行かせてたんです。そうしたら、ほぼみんな睡眠時無呼吸症候群なんですよ。
それで、CPAP治療をしたら、すごい快適になったと言っている友人もいます。

あと、同級生で1人だけ絶対に検査に行かへん!という、でもいびきが凄いやつがいるんですよ。結局、彼女にうるさいからって、首から上を防音の箱みたいなのに入れられた状態で寝てるんです(笑)そっちの方が辛いはずなのに(笑)
だから、ちゃんと病院行けば手軽に検査できるので、本当皆さん行って受けた方がいいです。

本間先生:外来でも、奥さんに寝室分けられてしまって、とうとう診察に来たという方が結構いらっしゃるんですよ。

サバンナ高橋:やっぱりそうですよね。
八木さんも、今日(睡眠時無呼吸症候群の疑いが)判明したけど、このあともうちょっと精密な検査受けたりして行かないと…

サバンナ八木:まさかですよね。本当にやっぱり自覚症状があんまりないから、僕もこういう機会がないと気づかなかったと思います。
でも本当、検査結果は、驚きクラゲーー!!

一同:(苦笑い)

サバンナ八木:あれ?驚きクラゲーー!!

サバンナ高橋:これは、今日は(スベって)寝れないでしょ、さすがに。

司会:今日から、いや今日からではないかもしれないですが、また土肥先生に改めて診察していただくという流れになりますかね。

土肥先生:はい、そうですね。
すごく重要なことをおっしゃってましたが、本当に意外と無呼吸症は気づかれないんです。また、「眠い」というのは非常に主観的なので、自分がどれくらい睡眠が取れているかというのは分からないですよね。ですので、ぜひ、一度検査を受けていただきたいです。

司会:まだまだ、お話お伺いしていきたいところではございますが、お時間の都合上、こちらでトークセッションは終了とさせていただきます。
改めまして、皆さま、本日はありがとうございました。

集合する出演者3名

―――――――――――――――

イベントは、このあと、1966カルテットによる快眠コンサートや快眠グッズが当たるSASクイズラリーが開催され、多くの方がご来場されました。

潜在患者が国内に900万人いるともいわれている睡眠時無呼吸症候群ですが、治療を受けているのは75万人と1割にも満たず、認知度は向上して来ているものの多くの人が罹患していることさえ気付いていない状況となっています。

いびきが気になる、日中に強い眠気がある、夜中に目が覚める、寝つきが悪いなど睡眠についてのお悩みがある方は、一度病院での受診を検討されてみてもよいかもしれません。

睡眠障害を改善するさまざまな対処法
ねむりのコラム
睡眠中の「いびき」は、健康に多大なる影響を与えることも…
知っておこう
「いびき」の基本