手術・植込み型装置による治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

治療がどうしても続けられない、あるいは解剖学的な狭さがはっきりしている場合に、手術や植込み型装置を検討します。
いずれも適応の見極めが成否を分けます。まずは専門外来で相談しましょう。

対象となる人

大原則は、「まずCPAPやマウスピース+生活改善を十分に試す」こと。
そのうえで、中等度〜重症の方でCPAPが不耐・効果不十分、またはのどの形の狭さが原因として強いと判断された場合に、外科的手術や植込み型装置の相談に進みます。

顎顔面・咽頭の手術

気道閉塞の原因がアデノイド肥大や扁桃肥大などの場合には、手術による治療が行われることがあります。方法としては、以下のようなものがあります。

のど(軟口蓋まわり)を整える手術

いわゆる「のどちんこ」周辺のやわらかい部分の形や張りを整え、横方向や前後方向の狭さを改善します。合う人には有効ですが、年単位で効き目がやや薄れることがあります。
数日〜2週間程度の痛みや違和感が残ることがあります。

あごの骨格を前に出す手術(上下顎前方移動:MMA)

上下のあごを数ミリ〜1センチほど前方へ移動し、のど全体の空間を広げる方法です。外科のなかでは最も成功率が高いとされ、効果の安定性が報告されています。
反面、入院・回復の負担が大きく、口元のしびれ(多くは一時的)やかみ合わせ調整が必要になることがあります。回復には、数週間単位の期間を要します。

鼻の手術は“助演”

鼻づまりが強い人では、鼻中隔や粘膜の手術で通りを良くするとCPAPの必要圧が下がり、装着が続けやすくなることがあります。
無呼吸そのものを単独で大きく改善する主役というより、ほかの治療を助ける役として位置づけます。

植込み型装置治療(舌下神経電気刺激療法)

鎖骨上に植込んだ装置が睡眠中に舌下神経を刺激し、舌を収縮させて前方にだすことで咽頭が広がり、通りがよくなる治療法です。
2021年6月に保険適当が認められ比較的新しいこの治療法は、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の方でCPAP治療を試行錯誤しても継続できなかった方、18歳以上、BMIが30kg/m2未満など多数の条件に当てはまる場合のみ適応となります。

装置のしくみ

鎖骨の上あたりに小さな装置を皮下に入れ、細いリードを舌の神経に接続します。夜、手元のリモコンで電源を入れると、ごく弱い刺激で舌を前へ動かしやすくなり、のどがふさがりにくい状態を保ちます。
手術自体は日帰り〜短期入院で行われることが多く、傷が癒えてから外来で起動・微調整していきます。

適応のめやす

以下に当てはまる方が適応となります。

植込み型装置治療の代表的な適応条件

  • 中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の方で18歳以上
  • BMI30㎏/m2未満の方
  • CPAP療法で治療効果が不十分で装置の使用が困難な方


他にも扁桃肥大など解剖学的異常がない方など適応条件が幾つか設けられています。

メリットと注意点

CPAP治療のようなマスク装着の煩わしさがなく、同程度の効果が期待できるのがメリットです。一方で、導入には全身麻酔での植込み手術が必要となり、身体への負担が生じるほか、使用時に電気刺激の不快感を覚えたり、舌に擦過傷ができたりする場合があります。また、まだ始まったばかりの治療法のため長期的な研究結果が不足しています。

保険適用となりますが、全身麻酔の手術が必要となるため比較的高額になるのと、国内で対応可能な病院が少ないのが実情となります。

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いびきの基本

SASは専門の医療機関を受診し検査を受けることによって判定できます。
いびきやSASについて心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談されることをおすすめします。

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