治療方法について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

睡眠時無呼吸症候群の治療方法は、CPAP(シーパップ)療法、マウスピース(口腔内装置)療法、外科的手術などがあります。
また、合併症のリスクを軽減させるためにも、生活習慣の改善を行うことも重要です。

なお、ここで紹介する治療方法は「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」のものとなり、「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)」の治療とは異なります。患者さんの状態によって適用可能な治療が変わりますので、医師の指示に従ってください。

(1)CPAP(シーパップ)療法

CPAPの各部位名称

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、眠っている間に装置からホース・鼻マスクを介し空気を気道に送り、常に圧力をかけて、つぶれやすい“のどの通り道”を支える治療方法です。
中等度〜重症の睡眠時無呼吸では第一選択になることが多く、最も有効性が高いと言われており、効果に関する研究の蓄積が最も豊富です。

CPAP療法

令和6年度の診療報酬改定(2024年6月1日施行)により、治療(CPAP療法)については保険適応でのオンライン診療が可能となりました。

オンライン診療

(2)マウスピース(口腔内装置)療法

“オーダーメイドのマウスピース”で下あごを数ミリ前へ突き出し、舌のつけ根まわりのスペースを広げる治療法です。
軽〜中等度の方やCPAPがどうしても合わない方の選択肢になります。

マウスピースの作成は健康保険の適用となりますが、医科の診断・紹介状が必要で歯科で作成されます。

マウスピース療法

(3)手術・植込み型装置による治療

外科的なアプローチで“空気の通り道を広げる”治療方法で、大きく分けて、「顎顔面・咽頭の手術」と「体内に装置を植込む手術」の2種類があります。
CPAP治療がどうしても続けられない、あるいは解剖学的な狭さがはっきりしている場合に検討します。

顎顔面・咽頭の手術は「狭くなる場所」を直接広げる治療法で、植込み型装置(舌下神経電気刺激療法:HNS)は舌下神経を刺激することで、舌を収縮させて前方にだすことで咽頭が広がり、通りがよくなる治療法です。

手術・植込み型装置による治療

(4)生活習慣の改善

CPAP治療やマウスピースなどの治療と合わせて、睡眠時無呼吸症候群の要因や合併症のリスクを軽減するために、生活習慣の改善も重要です。

減量、禁酒、禁煙で無呼吸を完全になくすことは難しいですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の改善に寄与する可能性があります。また、入眠しやすくなる寝る前の過ごし方、寝室環境の整備、適切な睡眠時間の確保などは、すべての人にとって大変有効です。
特に肥満の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者さんは、減量による軽症化が期待でき、10%の体重の減少でAHIが26%減少したという報告もあります。

生活習慣の改善

(5)年齢・ライフステージ別の治療

年齢やライフステージによって、優先する治療の安全性や目標は少しずつ変わります。このページでは、特に相談の多い場面をまとめます。

小児の場合

いびき、口呼吸、集中力や行動面の気がかり──子どもの睡眠時無呼吸では、扁桃やアデノイドが大きいことが原因の一つです。
検査で無呼吸が確認された場合、扁桃・アデノイドの手術が第一選択になるケースがあります。成長・発達の視点で早めの相談が大切で、手術後の再評価も必要です。

女性の場合

妊娠

妊娠中は安全が最優先です。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と診断されれば、マスクで空気を送る治療(CPAP)が基本で、横向き寝や体重管理などのセルフケアも並行します。
妊娠中の高血圧などとの関連が指摘されており、産科と連携して治療を進めるのが安心です。

更年期

更年期では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)への罹患リスクが増大し、男性と同様となることが知られています。
これには女性ホルモンの減少が関連すると考えられています。
(出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を基に、弊社にて編集・加工して作成)

高齢者の場合

眠気より不眠や夜間頻尿、だるさが前面に出ることもあります。合併症や内服をふまえ、無理なく続けられる治療を選ぶのが基本です。
CPAPの装着感を整えることで、若年者と同等の使用継続が得られるとの報告もあります。転倒予防や日中活動の確保も意識しましょう。

まとめ

誰にとっても“安全で続けやすい”ことが第一です。生活の変化(成長、妊娠、加齢、体重増減)に合わせて定期的に治療を見直すことで、必要十分なケアを保てます。
困ったら一人で抱え込まず、専門外来や主治医に早めに相談してください。

参考文献

日本呼吸器学会
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「難治性呼吸器疾患・肺高血圧症に関する調査研究」班 (監)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020, 南江堂, 2020.
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

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SASは専門の医療機関を受診し検査を受けることによって判定できます。
いびきやSASについて心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談されることをおすすめします。

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