日中の激しい眠気や居眠りの影には病が潜んでいる可能性も!?

ねむりのコラム 11. 病気

睡眠障害

厚生労働省の研究班によってまとめられた「睡眠障害対処12の指針」を元により良い睡眠を考える「ねむりのコラム」。今回のキーワードは「睡眠障害」です。日中眠たくてどうしようもないということはありませんか?

【第11条】いつもと違う睡眠には要注意。

しっかりと寝ているはずなのに疲れが取れないーー。夜、ベッドで横になっても一向に眠れないーー。そんな症状が出ていたら要注意です。一時的な睡眠不足であれば睡眠を取ることで解消しますが、問題の症状が続くようであればそこには重大な病気が隠れているかもしれません。

例えば、睡眠中に激しいいびきや呼吸停止が起こる「睡眠時無呼吸症候群」や、手足がピクついて眠れない「周期性四肢運動障害」、充分に寝ていても眠くなる「過眠症」など、これらはいずれも医師による適切な治療を必要とする症状です。また「うつ病」患者の多くが、寝つきが悪かったり朝早く目覚めたりと、何らかの睡眠障害を抱えていると言います。こうした症状を早期に発見し、治療に当たれば、うつ病を未然に予防できる可能性もあります。

このように睡眠障害は放っておくと悪化し、さらなる病気を引き起こす原因となり得ます。それだけ人間の健康維持には“質の良い睡眠”が欠かせないのです。いつもと違う“眠気”を感じたら早めに医師などに相談しましょう。

■睡眠障害の種類

以下は、睡眠に関する病名とその主な症状です。

不眠症夜寝つきが悪く、眠りを維持できないなど、充分な睡眠が取れない状態が続く
過眠症
(ナルコレプシー)
充分に寝ているにも関わらず日中に過剰な眠気に襲われる
概日リズム睡眠障害昼と夜のサイクルが逆転し、体内時計のリズムが乱れた状態が続く
睡眠時随伴症
(パラソムニア)
睡眠中に歯ぎしり、寝言、悪夢などの望ましくない行動が表れる
睡眠時無呼吸症候群
(SAS)
睡眠中に大きないびきをかき、繰り返し呼吸が停止する
レストレッグス症候群
(むずむず脚症候群)
寝ようと横になった時にふくらはぎの深部などを虫が這うような不快感に襲われる
周期性四肢運動障害
(足ぴくつき症)
寝ている間にピクピクっと無意識に手足の筋肉が動いてしまう
うつ病夜充分に眠れず、食欲がなく、一日中気分が落ち込んでいて何をしても楽しめないといった状態が続く

出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会」報告 平成26年3月「健康づくりのための睡眠指針2014」より

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