乱れがちな体内時計のリズムを保つ鍵は太陽の光にあり

ねむりのコラム 7. メカニズム

太陽光

厚生労働省の研究班によってまとめられた「睡眠障害対処12の指針」を元により良い睡眠を考える「ねむりのコラム」。今回のキーワードは「太陽光」です。忙しいとつい忘れてしまいがちですが、ちゃんとお日様の光を感じてますか?

【第7条】若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。

「朝、目が覚めて、夜、眠くなる」というのは私たちの身体の中で概日リズムと呼ばれる、いわば体内時計が働いているから。25時間周期で動いていると言われ、私たちの体温やホルモン分泌などを調整してくれています。睡眠に関する重要な役割を果たすホルモンには「メラトニン」と「セロトニン」があり、その2つを生み出すきっかけになっているのが「太陽の光」です。

夜、眠くなるためには「メラトニン」というホルモンが欠かせません。そのメラトニンを作る材料になっているのが「セロトニン」です。この2つは密に関係しており日中にセロトニンがしっかり分泌されていないとメラトニンが正しく分泌されません。より良い睡眠を手にするためには、日中にしっかりと太陽の光を浴びて、セロトニンを充分分泌させておく必要があります。

平日の睡眠時間が足りないからといって、休日に寝だめのつもりで長時間寝てしまい、かえって身体がだるくなってしまったことはありませんか? これは起きる時間がずれると、室内にいる時間が長くなり、スマートフォンやテレビなどで夜更かしをして寝る時間がさらに遅くなり、体内時計のリズムが狂ってしまうことが原因。休日であっても規則正しく起床し、日光を浴びて活動することで質のよい睡眠を得られるようになります。太陽の光には、こうした生活の中でずれてしまった体内時計のリズムをリセットしてくれる役割があるのです。

昔から、人間は朝起きて日中は活動し、夜眠りにつくという生活を送ってきました。しかし現代では24時間営業のファミレスやコンビニなど、夜でも煌々とした光が街中に溢れており、睡眠のリズムが乱れてしまいがちです。起床後はカーテンを開けて光を浴びたり、通勤時間に陽のあたる場所を歩いたり、日中に積極的に外出したりと、意識的に太陽の光を浴びる習慣をつけておきましょう。

出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針の改定に関する検討会」報告 平成26年3月「健康づくりのための睡眠指針2014」より

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