日本人女性の睡眠は
世界一短いってホント?

3月8日は国際女性デー 3月17日は世界睡眠デー

女性の睡眠について考える

世界で最も睡眠が取れていない日本人女性

日本人の睡眠時間が世界の国々と比較して短いということはよく知られています。
2020年のOECD(経済協力開発機構)加盟国に対する調査結果でも、1日の睡眠時間の平均は507.6分であるのに対し、日本は442分であったと報告されています。

さらに日本においては男性よりも女性の睡眠時間が短く、「日本人女性は世界で最も睡眠がとれていない」といえます。

世界と日本の平均睡眠時間の違い図


厚生労働省の調査結果では、日本の成人の平均睡眠時間は6~7時間未満となっており、なかでも睡眠時間が6時間未満の割合は、 40~50歳代の女性で高いことが報告されています。

日本人女性は、なぜ十分な睡眠をとることができていないのでしょうか?
ご自身、またはパートナーのために、女性の睡眠について知ることからはじめてみませんか。

常に変化する女性のホルモンと睡眠の関係

男性にはなく女性にある特徴の代表的なものとして、ホルモン分泌の変化があります。

女性は、おおよそ1か月の周期で、月経開始とともにエストロゲンが徐々に増加する「卵胞期」、排卵後にプロゲステロンが増加する「黄体期」というホルモン変動の期間を繰り返しています。
「低温期」では基礎体温が低くなり、「黄体期」では高くなります。

睡眠覚醒リズムにおいては一日の体温変化のメリハリが大切ですが、黄体期ではそのメリハリがなくなります。そのため「月経前には睡眠が浅くなったり、日中の眠気が強くなったりする」と考えられています。

黄体期では、1日の体温のメリハリがなくなり睡眠が浅くなったり、日中の眠気が強くなったりする

ライフイベントの影響を受けやすい女性の睡眠

妊娠・出産・育児といったライフイベントも、女性の睡眠に大きな影響を与えているといわれています。

妊娠中には睡眠調節に関与する様々なホルモンの変化に加え、胎児の成長に伴って現れるさまざまな身体症状(頻尿、腰部痛、胃もたれ、腰の痛みなど)や寝姿勢の制限などが、夜間の睡眠時間短縮や質の低下をもたらすといわれています。

出産後も、新生児のうちは昼夜問わずおむつ替えや授乳といったケアが必要となるため、母親は睡眠に大きな影響を受けます。

さらに、6歳未満の子供を持つ夫と妻の家事・育児に費やす時間の1日平均は、5倍以上の差があるとする調査結果もあります。このことも睡眠時間に影響を与えていると考えられます。

妊娠、出産、子育てと女性のライフスタイルの変化は睡眠にも大きな影響を与える

閉経期前後でも新たな影響が

更年期障害という言葉で知られる通り、女性の多くは閉経の前後で体調の変化を経験します。
閉経期前後でうつや不安などの症状を訴える女性も多く、それらが不眠の原因となる可能性があると考えられています。

また、治療を必要とする睡眠時無呼吸症候群は、閉経前にくらべ閉経後に多くみとめられるといわれています。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸や低呼吸になる病気で、睡眠の質を低下させたり中途覚醒を起こしたりと睡眠に大きな影響を及ぼします。

閉経後は、更年期障害や睡眠時無呼吸症候群が睡眠に影響を与えやすくなる

問題を知って、よりよい睡眠を目指しましょう

女性の睡眠について、いかがでしたか?
女性特有の睡眠の問題について知ることは、快眠のための心がけや、パートナーへの理解と配慮に繋がります。

この機会にご自身やパートナーの睡眠について考え、よりよい睡眠を目指しましょう。

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